pixiv女子プロ野球のコメンタリー・アーカイブブログ(仮)

2012年にスタートしたpixiv交流企画「pixiv女子プロ野球」について語っていくブログとなります。質問等あれば、コメントを頂ければ幸いです。

野村的「オリジナルキャラクターの名前生成論」+α

オリジナルキャラクターを作られる方であれば誰もが通る道であり、少なからずの人が頭を迷わせるもの。それが「キャラクターの名前」だと思います。

今回はその「キャラクターの名前」を筆者はどう付ける(付けた)か、のお話です。

ちなみに前提として、筆者は創作活動の中でファンタジー的なジャンルに触れたことがありません。「ファンタジー」が何を定義するかもあやふやですが、今回の記事に関しては「非実在的なものに関しては範疇にない」と捉えて頂ければ。

なお、この記事中に出て来る実在人物は基本的に敬称略とします。ご了承ください。

 

基本的には「実在する名字+普遍的な名前」

オリジナルキャラクターに与える名前の付け方は百人百様、十人十色だと思います。中にはファンタジー世界のような名前や、ダジャレ・ギャグ・何らかの文章と単語から取る名前もあると思います。後者の分かりやすくかつ代表的な例は「ハイスクール!奇面組」ですね。
ただ筆者はこの手の命名法が好きではないので、見出しにあるように「実在する名字+普遍的な名前」、要するに「どこかに実在しそうな人名」を作ります。

いきなり余談ですが、ここのブログとは別にはてなで展開している、通称「架空野球シリーズ」についても同様のことは言えます。

nomurayuhki.hatenablog.jp

こちらは「パワフルプロ野球」シリーズで、架空ながらもリアリズム志向のオリジナルチームを作ると言うプレイングをしたものをまとめています。設定資料集は以下のfandomをご覧ください。

toyotsucountry.fandom.com

「リアリズム」志向なので、当然選手名もリアリズムを求められます(少なくとも筆者はそう思っている)。なので「佐藤」姓や「鈴木」姓など実在してトップクラスに入る名字の選手が多いですが、裏を返せば珍しい名字や難読名字も実在さえしていれば選手名として採用します。筆者がここまで作成した中で珍しい名字の代表として挙げるなら、「朽網(くたみ)」・「久留主(くるす)」・「小比類巻(こひるいまき)」・「下吹越(しもひごし)」・「莅戸(のぞき)」などを採用しています。

同じことはpixiv女子プロ野球(以下「PGB」)で筆者が作成したキャラクターにも言えます。
もうちょっと言うと別に参加した交流企画でも筆者の原則は崩しておらず、具体的に言及するなら「服部」、「百地」、「藤林」、「仁木」はすべて筆者ゆかりの三重県伊賀市に縁のある名字を採用しています*1

なおPGBでも、参加者によっては非実在の名字や現実の通念上はあり得ない名前を持つ選手もいます。そこは個人の創作ではなく「交流企画」の特色で、筆者が何をか言ってもあまり意味がないのでそう言うことです。でも非実在or珍しすぎる名字や難読な名前はPCの予測変換にないから極力避けて欲しいとは思っている。

 

では、実際に作成したキャラクターの名前を見てみよう!


以下、PGBでこれまでに筆者が作成したキャラクターの名前を列挙します。いわゆる「元ネタ」があるキャラがいますが、それを名前の後に付記しています。

はい、お疲れ様でした。執筆した2023年11月23日時点でPGBには計39人を送り込んでいますが、元ネタは上記の通りある選手とない選手がいます。初期に作った選手は元ネタがある場合が多いですが、筆者が元々人名マニアなのとPGB・架空野球シリーズで知識を得たことによって、最近は元ネタを特に置かず名前を生成しているキャラクターが多くなっています。

さらなるこだわり:「出身地と名字の関係を考える」

これを聞いてどこまでの方がピンと来るか自信はないですが、でも名字はその成り立ち上、「分布が偏る」のはよくあることです。そしてPGBは出身地を個性のひとつとして設定出来るので、これに筆者はこだわっていると言うお話をします。
例えば一般的に「佐藤」姓は東日本に多く「田中」姓は西日本に多い、と基本的にはこういう話です。本人が時折話すエピソードとして嵐・相葉雅紀が有名な「相葉」姓は自身の出身地でもある千葉県に集中しており、周辺が「相葉」姓だらけなのに実家を離れるとなかなかいなかった、と言うのも聞いたことがあります。

これに関しては以下のサイトでいろいろと調べられますので、興味が沸きましたら調べてみるのも一興だと思います。

name-power.net

www2.nipponsoft.co.jp

ちなみにこれらのサイトの「筆者の使いどころ」は、PGBでキャラクターを作成する時の参考にするのはもちろんのこと、上の「日本姓氏語源辞典」はパワプロの「栄冠ナイン」と言う高校野球を舞台にしたモードで新入生が入学した時の名前改変、下の「姓名分布&姓名ランキング」は架空野球シリーズの新加入選手の出身地設定時です。
リアリズムに関して言えば、例えば沖縄県に一極集中している「比嘉」姓の選手が沖縄県以外の出身だとなんとなく違和感を持たれやすいので(もちろん沖縄県外にも「比嘉」姓の人はいるが)、そのような設定を作ることが多いと言うことでもあります。

PGBに関しては最初期はそこまで考えていませんが、しばらくしてからはこのこだわりを持ってキャラメイキングしています。
前者の例は赤田みなみ(愛媛県西予市、実際に多いのは岡山県)、藤瀬麻佑(愛知県北設楽郡豊根村、実際に多いのは佐賀県)などですね。この頃から人名マニアではあったものの、「出身地」まで気は回っていなかったのでこうなっています。
近年の例外は永井愛梨(福井県福井市。実際の福井県に永井姓は多くない)。これは先に名前が出来て、次に「地元福井県の高校で輝かしい実績を残した野村友梨奈に憧れる」と言うキャラクターを決め、「永井」姓のキャラクターを福井県出身にしていいか検索したところ「多くない」となって悩んだ経緯があります。ただ「多くない」と言っても上記リンクの「姓名ランキング」で「永井」姓は福井県19万5001件のうち181件ヒットし、福井市で39件。勝山市大飯郡おおい町では100位以内にランクインしているので、「よかろう」と言うことで福井市出身に設定しました。

新キャラクターの「名前」と「出身地」を決める思考回路の開陳コーナー

以上を踏まえた上で、具体例を説明します。

今オフ(来季)新規キャラクターのうち、この記事の投稿時点でキャラシートを登録したのは櫻井茉央と稲垣夏希の2人です。実際にこのキャラクターの名前決定に至る過程を紹介しましょう。

まず櫻井・稲垣ともに、名字は「前々から使いたいと思っていたもの」を引っ張り出しています。元ネタは上述しました。
その上で下の名前(ファーストネーム)に関しても、「『茉』の字を使いたい」とか色々考えてはいました。そのうち櫻井に関しては「茉」の字を使い、赤ちゃんに命名する時に参考にするようなサイトともにらめっこした結果「茉央」の名を選んでいます。稲垣のほうはファーストネームが割と難産で、元ネタとなった人物のファーストネームが「早希」なだけに(あと最近の作成キャラクターに「希」の字を多用していた影響もある)、「希」を使う名前は避けようとしていました。しかし仮に決めておいた名前がどうしてもしっくり来ず、「希」の多用に関しても結局「自分が好きな字だから」と言うことで「夏希」の名を決めました。

出身地は上記のサイトで決めましたが、櫻井に関しては元々「櫻井」ないし「桜井」姓が東日本に固まっていること、かつ選手キャラクターで東日本出身(正確に言うと関東以北の選手)の選手をあまり作っていなかったので宮城県多賀城市に設定。
稲垣は東海地方と和歌山県に多い名字ですが、正直なところ決める時に愛知県以外見えていなかったので愛知県に、市町村に関しては「行きつけの居酒屋が(なぜか住んでもいない)西尾市にある」と言う理由だけで西尾市に決めました。今思えば岐阜県静岡県和歌山県は選択肢にあってもすぐ外していただろうし、三重県に関しては現役で澤野がいると言う理由で同じく外し、愛知県は藤瀬が2023年限りで現役を引退するから「その辺りを落としどころにする」感じで結論は変わらなかったと思います。



長くなったので後ろに回しましたが、余談として今回稲垣で起きた「同じ字を多用しがち」と言う問題が架空野球シリーズでは頻繁に起きます。PGBは40人弱で済んでいますが、架空野球シリーズは今年で10年目に入ってそこで日本人選手だけでも700人近くの「人名を作成」しました。
新キャラクターとなる新加入選手を1年で7~80人ほど作る関係上、「最近の名前のトレンド」なども踏まえると被る選手は嫌でも出てきます。個人的な体感として多いのは「翔」「拓」「将」「希」「也」あたりですね。1字が共通する程度ならいいですが、たまにファーストネームが意図せず衝突することもあって、例としては河野翔希野村翔希田代秀隆宇賀地秀隆などが個人的に「その名前でそんなに被らんだろう」と思っています。
それと個人的な課題として「古風な名前をつけがち」な点で、これは例えば「戦国武将っぽい名前」と言い換えればある程度理解していただけるかと思います。具体例は大下知恭将俊兄弟*3、上記の宇賀地秀隆・田代秀隆、柏原哲親我如古忠寛櫻井政康*4高沢好康藤澤雅親*5牧野敬将水野智政森川晃教ら。大島信長に関しては島﨑信長が元ネタで、その島﨑は織田信長を由来としないので違います。ただどちらにせよこの手の命名法は最近の「トレンド」ではないので、個人的にはもう少し変えたいところです(でも懲りずにやる)。

おまけ:キャラクターデザインと性格の決め方

「オリジナルキャラクターで一番大事なのそこじゃないのか!?」と思われる方もいるでしょうから触れておきますが、これに関して筆者は割と考えずに決めています。
架空野球シリーズに関しては、「パワター」と呼ばれる眉毛・目・髪型などのパーツを組み合わせれば出来るのでそれで終わりです。PGBはパワターで考えずちゃんとラフを描いていましたが、今は「カスタムキャスト」と言うアプリがあるので専らそれを使うことが多いです。髪型は特に自分の頭だけで考えると、バリエーションがないんですよね…………。

customcast.jp

傾向としては、まず大事なのは「自分の嗜好に忠実なこと」。特に筆者のキャラクターはショートヘア~セミロングくらいで留めることが多く、これは個人的な好みもさることながら「野球をする」と言う企画の性質上、「髪が長すぎるとやってられんやろ」と言う現実的な嗜好によるところが大きいです。企画全体で言えば、ある程度架空・二次元でリアリティを必ずしも追求しなくてもいい(する義務がない)関係上、ロングやスーパーロングのキャラクターもいます。スキンヘッドのキャラクターもいますけど…………。
同じ理由で、スリーサイズの特にバストも初期のキャラはサイズが控えめの選手が多かったです。これも野球と言う「スポーツ」を扱うにあたって「バストサイズの大きい女性はスポーツをするのに不利だよね?」と言う思考回路と、自らの当時の性的嗜好に従った結果でした。今はそうでもないですが…………(むしろバストサイズが大きい選手が増えた)。あとこれも「スポーツ」と言う関係上、ヒップと脚はいわゆる「モデル体型」よりはサイズが大きい場合が多いと思います。

性格に関しては、39人もキャラクターを出せばもう「引き出しがない」ので、基本的には行き当たりばったりです。性格診断みたいなのはやってみても面白そうなんですけど、それをするための最低限の材料が必要なのでなんとも。初期はある程度体系立ててやっていた気はしますが。



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*1:服部・百地・藤林は「伊賀三大上忍」と称される、戦国時代の伊賀国における代表的な忍者の一族。仁木は室町時代伊賀国守護仁木氏から。

*2:プロ野球選手で横浜DeNAベイスターズ(の前身球団)をモデルにしたチームに所属していた設定を作っていました。かつて横浜ベイスターズに在籍していた同音の西澤洋介と被ってしまう偶然があったものの、命名時点で知らないので元ネタではありません。

*3:ちなみに架空野球シリーズの知恭・将俊とPGBの彩希は同じ大下きょうだいの設定。知恭・彩希が双子で、将俊がその弟。

*4:ちなみにこちらはPGBの茉央との血縁関係はなし。

*5:PGBの久慈友貴奈とは幼馴染で高校の先輩後輩(久慈が1学年上)、のち久慈の引退後に結婚。なので現在の久慈の本名は「藤澤友貴奈」。